2024 年 74 巻 8 号 p. 331-338
本研究では,開放特許情報データベースに登録された大学等の特許を対象に,その活用の実績と特許の革新性や重要性との関係について,実証的な分析を試みた。全体的な結果として,重要性の高さは,特許の活用に統計的に有意に正の影響を及ぼすことが示唆された一方,革新性の高さは,特許の活用に統計的に有意に負の影響を及ぼしているとまではいえないが,活用にうまく結び付かない可能性があることが示唆された。この結果は,大学等の革新性の高い特許が埋もれている状況を示唆しており,大学発のスタートアップ企業が少ない現状と整合的である。よって,大学等の革新性の高い特許を活用するための仕組み等を整備することが重要であると考えられる。