2026 年 76 巻 8 号 p. 368-373
図書館等公衆送信補償金制度の法的論点として,①著作物の全部の複製,②図書館間相互貸借との関係,③事前に複製された図書館資料の複製物の利用,についてそれぞれ検討した。検討結果は次の通り。①少なくとも入手困難な図書館資料については,全部の複製を認める余地がある。②図書館間での公衆送信を認めても,本制度と比して著作権者の不利益は大きくないと考えられるため,図書館間相互貸借にあたって公衆送信を認めても問題はないと考えられる。③他の権利制限規定により適法に複製された図書館資料を本制度において用いることは,条文の文言や補償金額の認可過程を考慮すると,可能であると考えられる。