急傾斜長大斜面においてGPSによる長期変位モニタリングを実施した。急傾斜のためGPS計測点の上空視界は悪く, 基準点との高低差も大きいなど, 不良な計測環境による測定精度の劣化が懸念されたが, マスク処理による上空障害補正, 気象データを用いた対流圏遅延補正およびトレンドモデルによるランダム誤差処理を適切に施すことで平坦地と同程度の高精度な変位計測が可能であることを明らかにした。この誤差補正法を用いることで, 3年間にわたり斜面各点の三次元変位を安定かつ連続的に計測した。降雨に起因した斜面変位の急増をリアルタイムに検出可能であると同時に, 年間15mm程度の緩やかな定速変位を確実に検出可能であることを実証した。