日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
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特集:重症虚血肢に対する血管内治療
血管内治療での挑戦 -足首以下の治療は,重症下肢虚血患者の未来を変えるか?-
仲間 達也柴田 剛徳緒方 健二小船井 光太郎渡辺 弘之
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2018 年 10 巻 3 号 p. 160-167

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抄録
2017年に発表された,ヨーロッパ心臓病学会(ESC)とヨーロッパ血管外科学会(ESVS)の合同ガイドラインでは,血管内治療(EVT)が重症下肢虚血(Critical limbs ischemia: CLI)患者に対する標準治療の一つとして明記された.以前はタブーとも言われていた治療が,標準的治療としてガイドラインに掲載される.これは非常に喜ばしいことであると思う.そのなかで,われわれの前に立ちはだかる最後の障壁が,足首以下(Below-the-ankle: BTA)病変の存在である.BTA病変がCLI患者のアウトカムを悪化させるという報告は多数あるが,EVTでの介入,すなわちBTA interventionがそれを改善させるかはまだ明らかではない.われわれの挑戦から,BTA interventionの意義,適応を明らかにし,治療手技を標準化していくことは,本邦の血管内治療医の責務であると,筆者は考えている.
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© 2018 日本下肢救済・足病学会
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