本研究は、郷土の民謡を取り入れた授業実践の統計的分析・考察を通して、その音楽的価値と教材としての有効性を明らかにすることを目的とした。そのために、中学生146 名を対象に、①民謡を学習しない群、②秋田民謡のみを学習する群、③秋田民謡と沖縄民謡を学習する群の三つに分け、編曲教材による歌唱や和楽器の学習を行った後に質問紙による調査をし、分散分析、因子分析を行った。
その結果、郷土の民謡の授業を受けた性とは、リズムや音階などの西洋音楽や諸民族の音楽とは異なる特質に気づき、一定の価値感情が芽生えること、また、異なる音楽的特質を持つ教材を閉講して学習することによってその効果は増大することが明らかになった。さらに、郷土の民謡の可変性や即興性を活かし、生徒の実態に配慮した編曲教材を用いることによって、「日本人としての音楽性の覚醒」「地域に特有の音楽的要素を基にした音楽的諸能力の獲得」「郷土理解」などに効果があることが認められた。