音楽表現学
Online ISSN : 2435-1067
Print ISSN : 1348-9038
"Finger-walking Method" (指歩き奏法) の提言
初心者から上級者までを対象に
田島 孝一
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2006 年 4 巻 p. 49-55

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抄録

 1992年に命名したこのピアノ奏法は,デッぺの重力奏法とツィーグラーが求める美しい音色および「重さ」「支え」「移動」という観点に,筆者が運動の法則という普遍的視点を加えて,「指歩き」と表現したものである。これに基づけば,人が日常に足で歩くような感覚で,各関節により着実に支えられた指を運ぶことができる。それにより無駄な力が排除され,安定した手指からは美しい音色により音が奏でられ,それらに伴なって生じる精神的余裕により,細やかな音楽表現が可能となる。この奏法を使う指導者に求められることは,スポーツ指導者のような力学・物理学的な指導知識をもつことである。また楽譜上の全ての音符に付した指番号をたどれば,基本的にはほとんど弾けるような楽譜を使用することにより,配慮すべき情報量を極力少なくし,精神的余裕を生み出すことができることも,本奏法の特徴である。

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© 2006 日本音楽表現学会
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