Journal of Mammalian Ova Research
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成熟時における豚卵子の小胞体分布変化
前田 照夫柳生 哲希
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キーワード: 小胞体, 豚卵子, 減数分裂
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1997 年 14 巻 2 号 p. 175-179

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抄録

成熟時における豚卵子の小胞体分布変化を検討した.卵核胞期(GV)の卵子では,表層部に小胞体の集合体が多数観察され,一部は固まり状を呈していた.第一次減数分裂前中期(Pro-MI)及び中期(MI)の卵子では,その固まり状のものは消失し,集合体数もGV期卵子と比較して減少していた.また,小胞体の集合体あるいは集合体の固まり状のものが卵子表層部に均一に分散し,細胞膜の内側に薄い層を形成していた.第二減数分裂中期(MII)の卵子では,その層はより明瞭になり,厚さを増していた.またその層の内側には小胞体の分布が少ない空間が認められた.以上の結果より,豚卵子においては成熟に伴って小胞体の分布が顕著に変化することが明らかとなった。

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© 1997 日本卵子学会
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