Journal of Mammalian Ova Research
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RU 486が透明帯除去ハムスター卵へのヒト精子の侵入に及ぼす影響
遠藤 克金山 喜一
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1997 年 14 巻 2 号 p. 180-182

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抄録

精子のgapacitationとacrosome reactionにプロゲステロンが重要な役割を果たしている.今回著者らは,抗プロゲステロン製剤(RU 486)が,受精に及ぼす影響について検討する目的で,zona-free hamster eggへのヒト精子の侵入に及ぼす影響について検討した.その結果,対照群においては80.7%にヒト精子の侵入が認められたのに対して,RU 486群では,10 μMで67.0%,15 μMで47.9%,20 μMで35.2%,25 μMで27.0%,30 μMで4.8%の侵入が認められ,RU 486の濃度が増加するに伴って低下することが明らかとなった.このように,RU 486が透明帯除去ハムスター卵へのヒト精子の侵入を阻止することが示された.この要因としては,RU 486がヒト精子細胞内におけるCa2+動員機構に影響を及ぼしCa2+濃度を低下させることによってacrosome reactionを阻害することが推測される.

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© 1997 日本卵子学会
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