Journal of Mammalian Ova Research
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原著論文
異なる成熟培地で培養したブタ卵子のp34cdc2 kinase活性の変化と核相の進行
伊藤 潤哉島田 昌之寺田 隆登
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2001 年 18 巻 1 号 p. 39-43

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抄録
異なった培地で培養した卵子の発生能の違いを追究する目的で,ブタ卵子をTCM199およびNCSU37培地で培養し,p34cdc2 kinase活性の変化と核相の進行との関係を検討した.TCM199で培養した卵子のp34cdc2 kinase活性は,培養初期からしだいに増加したが,NCSU37で培養した卵子のそれは培養開始20時間後から急激に上昇した.しかし,培養48時間後においては,NCSU37およびTCM199で培養した卵子の活性値には有意差がなかった.またTCM199で培養した卵子は,NCSU37で培養した卵子に比べ,早くGVBDを起こしMIIに到達した.両培地で培養した卵子からMII卵子のみを選別し,それらのp34cdc2 kinase活性を比較した結果,両培地間の活性値には差はないと考えられた.これらのことから,両培地で培養した卵子における発生能の違いは,成熟卵子のp34cdc2 kinase活性値の差によるものではないと推論した.
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© 2001 日本卵子学会
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