Journal of Mammalian Ova Research
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総説
卵胞発育とアクチビン
松崎 利也岩佐 武山野 修司苛原 稔
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2007 年 24 巻 2 号 p. 50-56

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抄録

卵胞発育は種々の因子により調節されている.アクチビン,インヒビンおよびフォリスタチンは下垂体,卵巣の局所においてそれぞれFSH分泌,卵胞発育を調節している.下垂体局所では,アクチビンBがFSHの分泌を促進し,またインヒビン,フォリスタチンも局所でアクチビンの作用を調節している.さらに卵巣の胞状卵胞から分泌されるインヒビンが,血液循環を介して下垂体のアクチビン作用を抑制することによりFSH分泌を低下させる.一方,卵巣局所では前胞状卵胞からアクチビンが発現し,その作用により顆粒膜細胞にFSH-受容体が発現する.その結果,前胞状卵胞はFSH依存性の発育を開始する.卵胞の発育に伴い,インヒビンA,フォリスタチンの発現が高まり局所のアクチビン活性は抑制される.このように,アクチビンは末梢,中枢の両面から前胞状卵胞以降の発育を調節し,FSH依存度の高い発育の遅れた卵胞を閉鎖させ生理的な卵胞発育を起こす.

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© 2007 日本卵子学会
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