動物は,地面の凹凸や狭い場所がある「ごちゃごちゃした環境」において,リアルタイムに適応して動き回ることができる.この振る舞いは,脳からの中央集権的な指令だけではなく,身体各所に張り巡らされた分散的な神経のネットワークや身体に備えられた膨大な数のセンサからの局所的なフィードバックにより生み出されていると予想される.本稿では,「ヘビ」,「クモヒトデ」,「イトミミズの群れ」がごちゃごちゃした実世界環境下で動き回る仕組みを,動物行動実験,数理モデリング,シミュレーション・ロボット実機実験を通した構成論的アプローチにより明らかにする取り組みについて紹介する.