2025 年 32 巻 2 号 p. 59-64
本研究では,断層帯を構成する領域としてガウジ帯,破砕帯,割れ目帯を想定し,それぞれの特性を考慮した現実的な核種移行モデルを構築した.このモデルを用いて数値解析を行い,得られた結果を教師データとして,ニューラルネットワークによる機械学習を活用し,処分場全体を対象とした断層影響評価が可能な予測式を作成した.さらに,断層シナリオに関する主要な不確実性因子として,断層の規模,発生時刻および発生位置に着目し,これらの不確実性を考慮した多様な組み合わせと予測式を用いて1,000ケースの不確実性解析を実施した.その結果,マグニチュードが最大総線量への影響が最も大きいこと,さらには条件に応じて最大総線量への寄与が高い領域が変化することが明らかとなった.このことから,最大総線量を適切に評価するためには,各断層帯領域に位置する廃棄体数を考慮することが重要であることが示唆された.