原子力バックエンド研究
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Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
技術報告
深地層を対象とした地下水の地球化学調査の現状
岩月 輝希豊嶋 賢治吉田 英一
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1998 年 4 巻 2 号 p. 73-81

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抄録

  岐阜県東濃地域において,深度1,000mまでの地下水の地球化学特性を体系的に把握するため,調査機器の開発と既存の調査機器の適用性評価および得られた地球化学特性データに基づき,深部地下水の水質形成機構や酸化還元電位などに関して解析手法の検討を行った.地下深部の地球化学特性データを取得するための調査技術に関しては,① 現存の技術と東濃地科学センターで開発された調査技術を併用することで,深部地下水の水質の把握が可能である.② 地下水の酸化還元電位測定伎術については,調査坑道での測定技術が確立されており,調査解析が行われている.表層からの試錐孔を用いた調査については機器の開発が終了しており,今後の調査により花崗岩深部の酸化還元状態が明らかになるものと予想される.得られたデータに基づく解析手法に関しては,割れ目帯などの地下水流動経路の調査,割れ目表面鉱物の変質状態の観察,各種同位体を用いた地下水の起源の推定,鉱物の飽和平衡状態の計算,マスバランスに基づく解析などを併用することで,地下水の水質形成機構を定量的に解釈することが可能である.

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© 1998 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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