原子力バックエンド研究
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研究論文
プラズマ加熱による雑固体廃棄物溶融処理時のセシウム蒸発挙動
安井 晋示天川 正士
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1999 年 6 巻 1 号 p. 91-99

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抄録

  低レベル放射性雑固体廃棄物の処理にプラズマ溶融法を適用するためには,廃棄体の放射能測定において重要な核種であるCsの溶融固化体中の残存率に与える溶融処理条件の影響を解明する必要がある.これまで,Cs残存率に与える廃棄物組成の影響については,加熱条件が一定の場合は塩基度を用いて評価できることを明らかにした.廃棄物の重量や加熱出力などの溶融処理条件がCs残存率に与える影響を評価するために,加熱時間に対する溶湯形状の変化と溶融スラグ中のCs濃度を調べ,溶融時のCs蒸発挙動を検討した.試料が全量溶融した後の溶融スラグからのCs蒸発挙動は1次の反応速度式で表すことができた.この時のCsの蒸発速度定数と溶湯形状の経時変化の結果を用いて,試料が全量溶融するまでの過渡的な状態における溶融スラグ中のCs濃度を溶湯形状の経時変化を考慮した式から推定した結果,実測値と一致した.この結果から,溶融処理後のCs残存率は,スラグ形成成分である無機物の溶融速度と蒸発速度定数に大きく依存することを明らかにし,廃棄物の重量や加熱出力などの溶融処理条件がCs残存率に与える影響を無機物の溶融速度から評価できる見通しを得た.

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© 1999 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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