日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
論文
爪白癬の病型と重症度ごとの治療薬選択と治療薬に対する評価のアンケート調査
常深 祐一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 33 巻 5 号 p. 630-636

詳細
抄録

爪白癬に適応のある外用薬が発売されて1年半が経過した時点において,各薬剤の処方割合や病型ごとの薬剤選択などについて実態を調査した. 調査方法  全国皮膚科医のうち,最近1か月間に爪白癬患者に対して10人以上薬物治療を行った病院皮膚科医(HP)137名,開業皮膚科医(GP)203名より回答を得た.調査はインターネットで行った.調査時期は2016年3月2日~3月8日までの1週間とした. 結果および考察  月あたりの平均薬物治療患者数は,42.1人であった.爪白癬の病型は遠位側縁爪甲下爪真菌症(distal and lateral subungual onychomycosis,以下DLSO)が最も多く46.39,次いで全異栄養性爪真菌症(total dystrophic onychomycosis,以下TDO)18.99,楔型17.59,表在性白色爪真菌症(superficial white onychomycosis,以下SWO)10.99,近位爪甲下爪真菌症(proximal subungual onychomycosis,以下PSO)6.49の順であった.治療薬としては経口薬(外用薬併用を含む)治療13.5名(32.09),外用爪白癬治療薬18.4名(43.79),適応のない従来の外用薬9.5名(22.59)であり,外用爪白癬治療薬がHP,GP共に最多であった.また,各治療薬の評価できる項目は,経口薬は「臨床効果が高い」,外用爪白癬治療薬は「安全性が高い」,適応のない従来の外用薬は「安全性が高い」,「薬価」であった.DLSOの重症とTDO以外で病型別の第一選択薬は外用爪白癬治療薬であった.本来は病型や重症度によって治療を選ぶべきであるが,安全性が高いという理由から外用爪白癬治療薬が多く選択されていると推察される.一方,治癒に至った患者割合については経口薬>外用爪白癬治療薬>適応のない従来の外用薬と評価されていることから,治療効果は経口薬が優れていることは認識されているが,効果よりも安全性を重視する傾向がみられる.しかし,治療の目標は治癒であるから,病型や重症度ごとに効果の高い治療薬を選択することを意識しなければならない.

著者関連情報
© 2016 日本臨床皮膚科医会
次の記事
feedback
Top