2023 年 53 巻 p. 111-117
【緒言】ColorDx®CCT-HD™(ColorDx)を用い、錐体コントラスト感度を測定した常染色体顕性(優性)視神経萎縮(autosomal dominant optic atrophy; ADOA)の1例について報告する。
【症例】38歳、男性。遺伝学的検査でOPA1遺伝子変異を認めADOAと診断された。矯正視力は右1.5、左1.2であった。色覚検査は片眼ずつ施行され、石原色覚検査表を全表正読し、パネルD-15をpassした。Farnsworth-Munsell 100-hue testにおいては正常色覚と判定された。ColorDxでL-・M-錐体系のスコアは良好であったがS-錐体系の著しい低下を認めた。
【考按】ColorDxは従来の色覚検査に比べ、色覚異常の検出力が高い可能性が示唆された。