日本視能訓練士協会誌
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一般講演
Knapp法術後の長期経過を観察したdouble elevator palsyの1例
田﨑 渚沙田邉 美香田川 楓蜂谷 雪乃瀬戸 寛子園田 康平
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2023 年 53 巻 p. 41-45

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抄録

【目的】外斜視を伴うdouble elevator palsyに対しKnapp法および水平筋前後転術を施行した症例を報告する。

【症例】19歳女性。左眼瞼下垂の手術目的で当科受診。初診眼位は30⊿外斜視、50⊿左下斜視で左眼上転障害と左眼瞼下垂がみられた。左Knapp法と右内直筋前転、右外直筋後転術を施行し、4ヶ月後左眼下直筋後転術、上眼瞼挙筋短縮術を施行。術後眼位は、10⊿左下斜視で、術後7年の眼位は4⊿内斜視、14⊿左上斜視と上下逆転がみられた。

【結論】Knapp法による矯正効果は経過とともに増強し、上下偏位の逆転が生じる可能性があるため、治療効果判定に長期経過観察を要する。

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© 2023 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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