2023 年 53 巻 p. 47-52
【目的】片眼の視力低下を初発自覚症状として慢性骨髄性白血病の診断に至った症例を報告する。
【症例】20歳女性。全身既往歴なし。2021年X月、突然の右眼視力低下を主訴に当院救急科を受診し、同日、精査目的に当科紹介受診した。初診時、視力は右眼(0.1)、左眼(1.5)。右眼に内境界膜下出血、左眼にRoth斑を認めた。当院内科に即日入院し、全身精査で慢性骨髄性白血病と診断された。
【結論】慢性骨髄性白血病は自覚症状に乏しく、眼症状のみを初発症状に診断されることは稀である。全身既往歴がなくとも、Roth斑を含む網膜出血を認めた場合は、鑑別として白血病を考慮し、早急に全身精査を行う必要がある。