2023 年 53 巻 p. 53-58
【目的】視能訓練士養成課程の学生を対象に、多職種連携教育(以下、IPE)受講による「社会的スキル」と「業務に関する自信」の変化を調査した。
【対象および方法】対象は2017年から2019年までにIPEを受講した視能訓練士養成課程の2年次生(以下、視能訓練士学生)87名(19.7±0.9歳)とした。社会的スキルの評価にはKiSS18、業務の自信の評価には自作の視覚的アナログスケール(以下、VAS)を用いた。業務自信の評価は「自分の職種の業務を行う自信」、「患者様と接する自信」および「他職種の職員と接する自信」の3項目についておこなった。評価はIPEの前日と直後に実施した。IPEの参加者は、視能訓練士学生の他、医師、薬剤師、看護師等の医療専門職者養成課程の学生(約450名)であった。
【結果】KiSS-18においては、総合得点およびサブカテゴリの初歩的スキル、高度なスキル、感情処理のスキル、攻撃に代わるスキルがIPE後で有意に高かった(p<0.05)。VASでは、自分の職種の業務を行う自信および他職種の職員と接する自信がIPE後で有意に高かった(p<0.05)。
【結論】IPEは視能訓練士養成課程の学生の社会的スキルと視能訓練士の業務を行う自信、他職種の職員と接する自信を向上させた。