油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
陽イオン界面活性剤存在下でのFr.V牛血清アルブミンの酵素分解
青木 幸一郎前沢 重礼伊藤 融平松 宏一
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 28 巻 8 号 p. 575-577

詳細
抄録

Fr.V (フラクションV) 牛血清アルブミン (BSA) はその中に不純物としてある種の酵素を含んでいる。そのため, Fr.V BSAを特定な条件下でインキュベートするとBSAの酵素分解が起こる。今回はカチオン界面活性剤であるテトラデシルトリメチルアンモニウムプロミド (TTAB) の存在下でのFr.V BSAの酵素分解を調べた。TTABとBSAのモル混合比 (TTAB/BSA) が50もしくは100のときにはモル混合比10のときより著しい分解が起こった。またSDS/BSA=100のときよりも著しい分解が起こった。このことは, BSAのほぐれが顕著であればある程著しい酵素分解が起こることを示している。
注 : 精製された “結晶性BSA” では上述のことは起こらない。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本油化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top