1979 年 28 巻 8 号 p. 575-577
Fr.V (フラクションV) 牛血清アルブミン (BSA) はその中に不純物としてある種の酵素を含んでいる。そのため, Fr.V BSAを特定な条件下でインキュベートするとBSAの酵素分解が起こる。今回はカチオン界面活性剤であるテトラデシルトリメチルアンモニウムプロミド (TTAB) の存在下でのFr.V BSAの酵素分解を調べた。TTABとBSAのモル混合比 (TTAB/BSA) が50もしくは100のときにはモル混合比10のときより著しい分解が起こった。またSDS/BSA=100のときよりも著しい分解が起こった。このことは, BSAのほぐれが顕著であればある程著しい酵素分解が起こることを示している。
注 : 精製された “結晶性BSA” では上述のことは起こらない。