1980 年 29 巻 8 号 p. 572-579
3種の2-アミノアルカン-1, 3-ジオール (Cn-ジヒドロスフィンゴシンn=10, 12, 14) (4) を相当する2-ニトロアルカン-1, 3-ジオールのaci. Na塩を氷酢酸中, 5% Pd-C存在下40℃で還元して合成した。 (4) をHMDS+TMCSでシリル化するとO, O-bis-TMS体 (5) 以外にtris-TMS体 [threo-及びerythro- (6)] が生じ, BSAの場合は後者のみが生じた。 (6) の構造はMSから決定した : m/e=204 (基準イオン : C-2, C-3間の結合の解裂によって生ずる), M-105, M-103, M-15が観測された。これらのイオンは (5) のものと比較してm/e=72だけ大きいイオン数であった。threo-及びerythro- (6) のピーク面積からerythro/threo比を決定した。合成した (4) では70 : 30であり, この値は (4) のN-アセチル体のO, O-bis-TMS誘導体 (常法) からの結果と一致した。erythro/threoの分割はN, O, O-トリアセチル-2-アミノアルカン-1, 3-ジオール (7) 及びN-アセチル-2-アミノアルカン-1, 3-ジオール (8) を再結晶すればできることが明らかになった。