1981 年 30 巻 9 号 p. 553-557
アルキル基がC3からC22までの一連のアルキルホスホリルコリンを合成した。これらの化合物は白色結晶で融点が200℃以上であり, IRスペクトルでカルボニル基が認められない。水に対しては高い溶解度を持つがC18, C20, C22になると21.5℃, 39.0℃, 53.5℃から急激に溶解度が増大し, いわゆるKrafft点の存在を認めた。またC10~C18においてミセル形成がある。メタノールにはよく溶け, またクロロホルムに溶解する。クロロホルムへの溶解はホスファチジルコリンの場合と同じく, ホスホリルコリン基とクロロホルムとの間の水素結合によるものと推定される。四塩化炭素, ベンゼンなど無極性溶媒には溶けない。