1983 年 32 巻 7 号 p. 361-366
ラットを用い, リノール酸メチルヒドロペルオキシド (MLHPs) の小腸における吸収と代謝を検討した。15mgのMLHPsを経口投与後, 胸管リンパ管から, 12hごとのフラクションに分け36hにわたりリンパ液を採取した。対照のラットには15mgのリノール酸メチルを与え同様の操作を行った。集めたリンパ液から脂質を抽出し逆相高速液体クロマトグラフィーで分析した。
その結果, 投与したMLHPsのうち0.5~0.6%が未変化のまま小腸から吸収されるのを始め, ヒドロキシオクタデカジエン酸メチルやオクソオクタデカジエン酸メチルといった誘導体に代謝され, 小腸から吸収されることが明らかとなった。