油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
核磁気共鳴と分子力学の手法によるトリアシルグリセリンのコンホーメーション解析
小杉 善雄松原 康史
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1989 年 38 巻 5 号 p. 415-420

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抄録

CDCl3中,3種のトリグリセリド[C3H5(OCOR)3ここでR=CH3, n-C3H7, n-C17H35]のC-C-C結合のまわりのコンホーメーションをプロトンNMRと分子力学計算(改良QCMP/MM2力場計算法)によって検討した。両手法によって求めたコンホーメーションの割合は良く一致した。アシル基の鎖の長さに関係なく,グリセリン単位の3つの酸素はゴーシュ型である。もっとも好ましいコンホーメーションは,C-C-C結合についてtrans-trans配置であり,可能な低エネルギーのコンホーメーションの約20%を占めることが分かった。非等時性のメチレンプロトンとグリセリン単位に及ぼすアシル鎖の長さの影響についてEd(fod)3存在下のランタニド誘起シフトによって明確にした。

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