抄録
リン脂質の誘導体を含むジアシルグリセロ脂質の1, 2-;1, 3位置異性体がODS系逆相クロマトグラフィーでは分離されるのに対して, トリアシルグリセリンではそれらの分離が困難である理由について考察した。その結果, クーロン力の反発によるアシル基間の相互作用のバランスがトリアシルグリセリンではよいのに対して, ジアシル型脂質ではこのバランスがわるく, 炭素鎖がのびるほどこの傾向が強くなり, クロマト系における化学ポテンシャルにも影響を与えて1, 2-;1, 3-位置異性体が分離されるものと結論した。