抄録
光学活性及びラセミ体の2鎖型カチオン両親媒化合物, (2RS) -, (2S) -N'- (2, 3-diacyloxypropyl) -N, N, N, N', N'-pentamethyl ethylenediammonium diiodide, を合成し, これらの化合物の表面張力, 表面圧, 転移温度等の集合挙動が光学異性によってどのような影響を受けるか検討した。透過型電子顕微鏡により水溶液中でのモルフォロジーを観察し, MLVやSMVがそれらの試料調製法によって生じることが認められた。DSCによるTcの測定結果, 光学活性体がより高いTcを示すことが認められた。また表面圧測定において, 光学活性体が同一な面積/分子値において高い表面圧を示した。
これらの結果は, 両親媒化合物が水中にて集合する際にそのキラリティが配向を制御し上に述べた差異が生じたものと考えられる。