昭和50年代, 全国的な公害規制の高まりの中において, 塗料業界へも低公害化の波が押し寄せ, 公害対策塗料として「高不揮発分型塗料 (ハイソリッド) 」「水性塗料」「粉体塗料」「紫外線硬化型 (UV) 塗料」などが取り上げられ, 本格的に開発が始まった。
じ (爾) 来, 15年あまりを経て, その間の技術革新により, これらの塗料は着実に拡大を続けている。しかし, ここ数年間で塗料を取り巻く情勢は再び大きく変化し, その変化の内容は, さらに厳しさを増している。
環境問題についても, 「地球」という言葉がつくようになり, 「低公害塗料」の概念が, 従来とは全く違う枠組みでとらえなければならなくなって来ているように思う。
従って, 本稿では, 低公害塗料についての概要を延べるとともに, 塗料を現在の環境問題の中で, どう認識し, どうとらえていくか, を含あて論じてみたい。