油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
テングニシのアミノエチルホスホン酸セラミドの長鎖塩基の構造決定 (第1報)
スフインガ-4,11-ジエニンの構造
岸根 秀樹三島 芳博林 陽
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1995 年 44 巻 11 号 p. 977-984

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抄録

ジエン型長鎖塩基 (LCB) であるオクタデカスフィンガ-4,11-ジエニンを海産貝類のテングニシ (Hemifususternatanus) から得られたセラミドアミノエチルボスホネート (CAEP) より発見した。
LCBの構造決定を行うため, LCBをいくつかの誘導体に変換した。LCBの炭素数と二重結合の数はそれらのトリメチルシリルエーテル誘導体と過ヨウ素酸酸化物であるアルデヒドとして, ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー (GC/MS) によつて決定した。
炭化水素鎖における二重結合の位置についてはオスミウム酸酸化によるLCBのTMS-ポリヒドロキシ-N-アセチル誘導体のGC/MSと過ヨウ素酸酸化, 水素化ホウ素ナトリウム還元, オスミウム酸酸化によって LCBより誘導したTMS-ポリヒドロキシアルコールのGC/MSにより決定した。
オクタデカスフィンガ-4,8-ジエニンもまたTMS-ポリヒドロキシ-N-アセチル誘導体とTMS-ポリヒドロキシアルコールのマススペクトルによってテングニシのCAEPより検出した。

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