油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
1-ヘキサデカンスルホン酸-水系の相挙動. II.
大きい集合体についての光学的観察
師井 義清勝浦 創甲斐原 梢斉藤 正彦
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1995 年 44 巻 8 号 p. 568-572

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抄録

1-ヘキサデカンスルホン酸の分子集合体を準弾性光散乱, 電子顕微鏡, 位相差顕微鏡等の光学的方法を用いて調べた。分子集合体のサイズは極めて多分散であり, これらの方法では検出できない大きさから12μmまでの範囲に渡り, 条件と測定方法に依存していた。準弾性光散乱では集合体の流体力学的半径は1.1から 4.5mmol dm-3の濃度範囲で約1から12μmの大きさで変化した。その際, 半径は濃度よりもむしろ界面活性剤溶液の調製条件によって変化していた。濃度 2 mmol dm-3溶液の電子顕微鏡観察では, 幅0.2μm長さ 1μmの棒状多層ラメラーベシクルの形成が認められた。 他方, 位相差顕微鏡では幅2μm長さ10μmまでの棒状分子集合体が確認された。また, 位相差顕微鏡により, ゲル-ゾル相転移温度 (Tg-s) 以下のゲル相では同一方向の縞模様が観測された。

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