走査型プローブ顕微鏡

抄録

走査型プローブ顕微鏡 (SPM) は表面形状や表面物性の研究に幅広く用いられている。中でも原子間力顕微鏡 (AFM) は絶縁体試料に対して様々な雰囲気の下で使用することができる。従ってAFMは固体表面で形成された界面活性剤集合体の研究にとって便利な装置である。この総説では, SPM, 特にAFMの使用法について簡単に説明し, あわせてAFMで得られた界面活性剤の像について述べる。界面活性剤単結晶の表面における分子配列をAFMで画像化することができ, 得られた結果はX線回折からの結果と一致した。水溶液/シリカ界面で起こる凝集体の成長過程や自己修復過程をin situ AFMで観察できた。ソフトコンタクトAFMを用い, 固/液界面で形成される凝集体の形状について, 種々の界面活性剤・様々な環境で調べられている。