労働安全衛生研究
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原著論文
モルタル吹付け面の維持補修時における斜面安定性に関する遠心模型実験
伊藤 和也豊澤 康男鈴木 将文末政 直晃
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2008 年 1 巻 2 号 p. 95-102

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抄録
切土斜面の風化・浸食・落石防止のため,高度経済成長期に多く施工されたモルタル吹付け工は,近年,老朽化により維持・補修を行う必要がある.このようなモルタル吹付け面を維持・補修するための既設モルタル吹付け面の撤去作業が起因となり,斜面全体が崩壊して労働者が被災する事故が報告されている.
本研究では,モルタル吹付け面背後が風化した老朽化モルタル吹付け法面の維持・補修時における斜面安定性について,崩壊メカニズムやその主な要因を求めるために遠心模型実験を行った.その結果,モルタル背面の岩盤が風化している場合,小割り作業によってモルタル吹付け面の曲げ・せん断耐力が低下することでモルタル背面の風化土砂を伴った急激な崩壊が起きる可能性があることが分かった.
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© 2008 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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