2018 年 11 巻 1 号 p. 51-60
平成23年に改正された「交流アーク溶接機用自動電撃防止装置構造規格」,「交流アーク溶接機用自動電撃防止装置の接続及び使用の安全基準に関する技術上の指針」の認識度及び交流アーク溶接機用自動電撃防止装置の始動感度の点検状況などを中心として感電災害防止の取り組み状況の実態調査を平成29年9月にアンケートによって行った.その結果,構造規格や指針の認識度は回答事業場の30%程度に止まっていること,始動感度の測定は回答事業場の13%程度に止まっていること,構造規格に規定された始動感度を満足する自動電撃防止装置の使用は回答事業場の50%程度であることがわかった.また,労働安全衛生規則で義務づけられている停電作業等での作業指揮者の選任については,事業場の労働者数が多いほど選任の割合が高くなる傾向であった.同様に事業場の労働者数に対する感電の危険性のある作業毎の作業手順書の作成の割合では,労働者数が多くなると作成割合も高くなる傾向であった.