労働安全衛生研究
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調査報告
異常反応を考慮したリスクアセスメント等の 実施の支援に関する検討
佐藤 嘉彦
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2019 年 12 巻 1 号 p. 25-32

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抄録

2011年以来,大規模化学工場を含む事業場において,爆発・火災災害が連続して発生している.それらの事故の背景要因に係る共通点として,注意の要する危険物などの危険源や取り扱う物質の化学反応に対する理解不足により,取り扱う際のリスクアセスメントが不十分であったことが指摘されている.本稿では,国内及び海外において取り扱う物質の意図しない化学反応(異常反応)について言及したり,解析を行ったりしているリスクアセスメント等(リスクアセスメント及びその結果に基づくリスク低減措置)実施手法・ツールの調査を行い,実施する際の問題点などを整理した.さらに,異常反応を考慮したリスクアセスメント等の的確な実施を支援するための方策を検討した.その結果,いくつかの重要な事象(暴走反応,混触反応,自己反応性物質の爆発など)について,代表的なシナリオを複数示し,全体のシナリオ検討の際の参考にすることが,RA支援のための方策として挙げられた.

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© 2019 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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