2021 年 15 巻 1 号 p. 37-43
労働災害による死亡者数は減少を続けている.この死亡者数の減少をさらに推し進めるために,死亡災害につながりかねない休業が6カ月以上となった重篤な労働災害を防止することが課題となっている.そこで,休業6カ月以上の負傷者数を調べたところ,負傷者数が明らかに増加しているとわかった.そこで,2017年に発生した事例について,製造業,建設業,交通運輸業,第3次産業の4つの業種に区分して事故の発生状況を分析した.そして,負傷者数が多かった事故の型を明らかにするとともに,その典型的な事故パターンを示した.あわせて,これら労働災害の今後の防止対策について提言した.