労働安全衛生研究
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粉体混合による放電抑制の可能性
庄山 瑞季
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2023 年 16 巻 1 号 p. 83-86

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抄録

粉体を取扱う事業場において,静電気が原因とされる火災・爆発事故が後を絶たない.本稿では,異符号に帯電させた粒子群の混合により粉体供給における電荷蓄積を軽減し,放電を抑制する方法について紹介する.振動と静電場によって粒子を浮揚させる2台の装置から,同一または異なる種類の荷電粒子を分散させた状態で連続的に供給し,装置間で瞬時に混合しながら堆積させる実験を行った.その結果,各装置の電場の向きによって堆積粒子の混合状態が変化し,各装置から逆極性の荷電粒子を供給したとき粒子は均一に混合されることが分かった.測定した浮揚粒子の比電荷を用いて空間電場と粒子の軌跡を計算し,混合メカニズムを解明した.さらに,粒子の混合状態をシャノンエントロピーによって定量的に評価した.

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© 2023 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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