2020 年 40 巻 1 号 p. 43-48
目的:若年者スポーツ選手のキーンベック病について自験例を後ろ向きに調査し,治療方針を検討した.
対象と方法:対象はスポーツが原因と考えられた14例16手,初診時年齢は平均16.8歳であった.治療法と競技復帰の有無をカルテより収集し,初診時X線像から橈骨遠位骨端線閉鎖前・後に分けて検討した.
結果:骨端線閉鎖前群は10例12手で全例競技復帰し,治療成績もExcellentであった.閉鎖後群は4例4手で3例が競技復帰し,Excellent 1例,Good 1例,Fair 2例であった.
考察:本病では14歳以下は自己修復力や可塑性が強いとされ,自験例も骨端線閉鎖前群の予後は良好だった.骨端線閉鎖後群は病期が進行した症例が多く,競技復帰率も下がると考えられた.