日本整形外科スポーツ医学会雑誌
Online ISSN : 2435-5828
Print ISSN : 1340-8577
 
若年者スポーツ選手に対するキーンベック病の治療戦略
鶴田 敏幸井上 美帆
著者情報
ジャーナル 認証あり

2020 年 40 巻 1 号 p. 43-48

詳細
抄録

目的:若年者スポーツ選手のキーンベック病について自験例を後ろ向きに調査し,治療方針を検討した.

対象と方法:対象はスポーツが原因と考えられた14例16手,初診時年齢は平均16.8歳であった.治療法と競技復帰の有無をカルテより収集し,初診時X線像から橈骨遠位骨端線閉鎖前・後に分けて検討した.

結果:骨端線閉鎖前群は10例12手で全例競技復帰し,治療成績もExcellentであった.閉鎖後群は4例4手で3例が競技復帰し,Excellent 1例,Good 1例,Fair 2例であった.

考察:本病では14歳以下は自己修復力や可塑性が強いとされ,自験例も骨端線閉鎖前群の予後は良好だった.骨端線閉鎖後群は病期が進行した症例が多く,競技復帰率も下がると考えられた.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top