2020 年 39 巻 2 号 p. 217-222
軽度認知障害を認める透析患者に対して,記憶機能や注意機能などを必要とするワーキングメモリ課題として知られるN-back課題を,透析中に実施した.その結果,3ヵ月間課題を実施することが可能であり,記憶機能や注意機能の向上が得られた.さらに,日常生活場面でもメモを使用せずに買い物が可能になり,頭が働いているような感じがするなどの良い変化を感じることができた.また,認知機能に影響を与える可能性のある血液検査値においては,介入前後で著明な変化が認められていないことからも,今回の介入が有効であったことが示唆された.