抄録
要旨:心不全症状による倦怠感のため,離床を進めることが困難な認知症高齢者を担当した.そこで,認知症高齢者の絵カード評価法を用いてクライエントの意味のある作業を評価し,作業を基盤に介入すると離床につながった.さらにその後,離床時間の延長や耐久性が向上し,短期的介入で退院に至った.急性期における認知症高齢者への心臓リハビリテーションでは,徹底したリスク管理下で,意味のある作業を基盤にした介入が早期離床を促進し,デコンディショニングの予防や,日常生活活動,認知機能の向上といった効果を短期的に示せる可能性を認めた.