2023 年 42 巻 2 号 p. 206-212
就労を希望する地域在住統合失調症者に対し,社会的転帰を改善する目的で,作業機能障害および生活スキルや環境,内的動機付け,認知機能障害の評価を行った.各種状態の関連性を解釈し,作業機能障害の影響要因と考えられた認知機能障害に対して認知機能リハビリテーションの手法による介入に加え,生活スキルの支援,環境支援を行った.その結果,作業機能障害の改善がみられ,目標としていた就労継続支援A型での就労につながった.認知機能障害を呈する統合失調症者の社会的転帰を改善するうえで,生活スキルや環境,内的動機付け,認知機能障害といった各種要因を解釈しながら作業機能障害の評価に基づく支援を行うことの有用性が示唆された.