2024 年 43 巻 4 号 p. 532-539
【目的】両手にしびれ感を呈した頸椎症性脊髄症(以下,CSM)術後の60歳代,女性にしびれ同調経皮的電気神経刺激(以下,しびれ同調TENS)を作業療法に併用し実施した.【方法】術後8日から5日間は,通常介入に加え両手を対象とし,しびれ同調TENSを実施した.【結果】両手共にしびれ感が漸減し(右手:Tau=−0.65,左手:Tau=−0.69),上肢のパフォーマンスが向上した.それに伴い,食事・入浴・整容動作などが自立し,生活行為への汎化もみられた.【結論】CSMに対するしびれ同調TENSは,術後早期患者に有用であり,しびれ感の改善や上肢のパフォーマンス,生活行為の向上にも寄与する可能性が示唆された.