作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
脳卒中後のアパシー類型化に関する神経生理学的側面からの検討
─NIRSを用いた分析結果のクラスター解析による類型の試み─
海光 拓磨木村 大介冨山 直輝備前 宏紀
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キーワード: アパシー, NIRS, 前頭前野, 脳血流
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2024 年 43 巻 4 号 p. 556-564

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抄録

脳卒中後のアパシーは3類型に分類される.このアパシー類型に想定される神経回路を近赤外分光法(NIRS)で測定し,関心領域である背外側前頭前野(DLPFC),前頭極(FP),前頭葉眼窩部(OFC)の脳血流量をクラスター分析,クラスター毎でどの関心領域の脳血流量に低下があるかを比較することで,アパシー2種とそれ以外に想定されている神経回路を確認した.効果が示した値から,アパシーはDLPFCとFPの脳血流量が低い認知行動処理障害型,OFCの脳血流量が低い情動感情障害型,2類型と異なるその他のタイプに分類される可能性が示唆された.アパシーは神経生理学的側面からも類型化できる可能性が示唆された.

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© 2024 一般社団法人日本作業療法士協会
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