2024 年 43 巻 4 号 p. 556-564
脳卒中後のアパシーは3類型に分類される.このアパシー類型に想定される神経回路を近赤外分光法(NIRS)で測定し,関心領域である背外側前頭前野(DLPFC),前頭極(FP),前頭葉眼窩部(OFC)の脳血流量をクラスター分析,クラスター毎でどの関心領域の脳血流量に低下があるかを比較することで,アパシー2種とそれ以外に想定されている神経回路を確認した.効果が示した値から,アパシーはDLPFCとFPの脳血流量が低い認知行動処理障害型,OFCの脳血流量が低い情動感情障害型,2類型と異なるその他のタイプに分類される可能性が示唆された.アパシーは神経生理学的側面からも類型化できる可能性が示唆された.