都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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交差点間の近接性に着目した都市内道路網形態の解析
渡部 大輔
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 40.3 巻 p. 133-138

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抄録

本研究では、都市内の道路網を点と線の連結関係で表現し、各道路辺について交差点間の近接性から構築される近接グラフを用いて評価する。まず、規則的な点分布における近接グラフを構築することで、各種の格子状道路網との関係を明らかにし、特に正方格子状道路は相対近傍グラフ( RNG)で構築されることが分かった。道路網形態を評価する点と線の数や長さを用いた指標( GTPと CF)を用いて、規則的道路網と日本国内の主要都市における道路網の比較を行い、六角格子での RNGに比較的性質が近い。そして、数値地図 2500を用いて各都市の道路網データにより近接グラフを構築し、道路辺と一致するグラフ辺を抽出した。つくばセンター地区における結果から、格子状道路網の多くの部分では RNGで構成されていることが多く、幹線道路や地形などでパターンが崩れている箇所で近接グラフ以外の辺が必要となることが分かった。さらに、一致する辺の数を構成比率として定義し、構成比率を用いて各都市間比較を行い、格子状道路の多い地区は相対近傍グラフの構成比率が高いことが分かった。これは、構成比率と GTPが比例の関係が見られることからも確かめられた。

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© 2005 公益社団法人 日本都市計画学会
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