都市計画論文集
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東京都中央区における指導要綱と地区計画の変更の経緯に関する研究
市街地開発事業指導要綱と第2ゾーン地区計画を事例として
川崎 興太大村 謙二郎
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2007 年 42.2 巻 p. 111-122

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抄録
本研究は、中央区における市街地開発事業指導要綱と第2ゾーン地区計画の変更に関する経緯について、都心居住にかかわる事項を中心に考察することを目的とするものである。平成19年4月1日までに、指導要綱は昭和60年5月11日に制定(同年6月1日施行)されて以来10回変更されており、第2ゾーン地区計画は平成5年7月16日に制定・施行されて以来6回変更されている。指導要綱と第2ゾーン地区計画の中心的な内容は、一定の関連性を持ちながら大きく変化しており、指導要綱は、住宅附置義務制度からコミュニティ形成やマンション管理といったソフトなものへと変化し、第2ゾーン地区計画は、住宅容積率の緩和による住宅の供給促進から、住宅の質や地区特性に応じた生活環境の向上に向けたものへと変化している。本研究を通じて、今後のまちづくりとその手法のあり方について、まちづくり手法の試行的導入と動態的運用、地区環境の漸進的更新・変容を誘導する制度設計、地方公共団体による積極的な都市空間・環境の管理が重要であることが明らかになった。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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