抄録
本論文は、地域コミュニティにおける安全・安心まちづくりのための自己診断評価モデルの構築を行ったものである。自己診断評価モデルとしては、コミュニティ活動モデル、地域防災活動モデル、地域防犯活動モデルの3種類を構築し、併せて三者間の関連性についても検討を行った。モデル化に当たっては、共分散構造モデルを採用し、観測変数と潜在変数間のパラメータの推定を行い、評価モデルを作成した。なお,観測変数は、ソーシャル・キャピタルの観点から決定した。構築した評価モデルを用いて、前橋市の自治会を対象とした事例研究を行った結果、地域防災活動に関する評価が極めて低く、また地域コミュニティ活動と地域防災活動、及び地域防犯活動との間には明らかな相関関係が認められた。