2008 年 43.3 巻 p. 139-144
フィリピンには、周囲を塀やフェンスなどで囲み、出入り口に遮断機と警備員を配置して居住者以外の進入を制限した、“Village”と呼ばれるゲーテッド・コミュニティ(GCs)が数多く存在している。特に首都メトロ・マニラではその数は年々増え続け、近年では開発が郊外にまで広がるとともに、購買層も高所得者層から中・低所得者層へと拡大してきている。本研究ではメトロ・マニラを対象として、GCsの開発や管理に関わる主体にヒアリングを行い、日本では見られないこのようなコミュニティの形態がフィリピンにおいて定着した背景と、その現状・実態を把握した上で、GCsが都市に与える影響を考察することを目的とする。