抄録
2004年に制定された景観法にもとづく景観計画が各地で策定されてきている。半年以上運用実績のある景観計画を対象にその構成と運用実態について調査分析した。その結果、景観計画の構成は地域の景観課題に応じて多様な使い方が見られた。定性的となりやすい形態意匠に関する景観形成基準については数値基準との組み合わせなどが試みられているが、基準表現の解釈の幅に応じて適合性判断が難しいと考えているところが半数近い。景観法だけでは地域の景観課題に十分対応できず、より良い景観形成にむけて事前協議と自主条例の必要性が多くの自治体で認識されていた。