抄録
本研究は、公開空地・有効空地の利用促進のための知見を得ることを目的としている。主な知見は以下である。1.新建築誌から、公開空地・有効空地の計画コンセプトを有する52件の記事が抽出された。計画コンセプトは5つに分類され、時代と共にハード的なものからソフト的なものへ移り変わる傾向がある、2.ソフト的なコンセプトを持った空間では、賑わい利用を意識した可動式装置が多く見られる、3.公開空地・有効空地の賑わい要因としては、i.住宅地に立地し「交流」や「子供の遊び」の場として認識される、ii.商業利用と関連した装置により「交流」利用が促進される、iii.オフィス街で喫煙所や着座装置を通りから見える部分に配置し利用が進む、の3点が、逆にコンセプトに整合していない要因として、i.管理側による利用規制が強い、ii.周辺に「交流」のための別の空間が存在する、の2点が挙げられた。