都市計画論文集
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高度地区による絶対高さ制限の導入の効果分析
高度地区による絶対高さの制限値の設定のあり方に関する研究
青木 伊知郎
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2008 年 43.3 巻 p. 229-234

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抄録
高度地区は広範囲の市街地を対象とする強制力のある規制であり、その内容が市街地形成や経済活動等に与える影響は大きい。このため、規制の導入や運用に際しては、規制によるプラス・マイナスの両面を考慮し、総合的に見て規制が妥当かどうかを判断することが望まれるが、高度地区の制限内容について具体的な指針はなく、都市によって考え方や制限内容が様々となっている。本研究では、近年、高度地区による絶対高さ制限を適用した都市について、絶対高さの制限値の考え方と制限緩和規定の内容を調査し、現状を整理するとともに、ヘドニック法を用いて、制限内容の違いによる地価への影響を測定する方法によって、高度地区による規制の費用便益分析を行い、高度地区による絶対高さ制限の設定のあり方について知見を得ることを目的とする。本研究による調査分析の結果、突出した高層建築物のみを規制する程度の比較的緩い規制でも便益の方が大きくなること、一方、高度利用がある程度進んでいる地域で強い規制を適用した場合は費用の方が大きくなる場合があることがわかった。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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