2008 年 43.3 巻 p. 871-876
本研究は、京都市の都心商業地を対象に、放置駐輪場所の特性に関する詳細なデータを収集・作成した上で、ポアソン回帰モデル及び地理的加重ポアソン回帰モデルを用いることにより、放置駐輪台数に影響を与える場所特性とその影響の空間的変異について分析した。その結果、公共空間・公共施設、娯楽・業務を用途とする建物、歩道など、監視性や領域性に大きく関連する地点特性、最寄の鉄道駅出入口までの距離や自転車等撤去強化区域の指定状況など、アクセス性や撤去リスクに関連する地域特性が、放置駐輪台数に統計的に有意な影響を与えることを明らかにした。また、局所的な条件によって、想定される符号条件と一致するとは限らない可能性があることや、影響の程度が大きく異なる可能性があることを明らかにした。さらに、分析結果に基づき、特定エリアにおける放置駐輪対策の方向性について提示した。