都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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エコロジカル・フットプリント指標を用いた環境負荷の地域間キャップアンドトレード制度の提案
身の丈にあった国土利用”に向けた新たなフレームワークの構築
氏原 岳人谷口 守松中 亮治
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 43.3 巻 p. 877-882

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抄録

地球温暖化対策としてCO2等の温室効果ガスを主としたキャップアンドトレード制度が各所で実施されている。その一方で、国土を限りある土地資源と捉え、低環境負荷型の国土利用に向けた取組みの必要性も高まってきている。本研究では、エコロジカル・フットプリント(EF)指標を用いて土地利用をベースとした包括的な環境負荷を対象としたキャップアンドトレード制度を提案するとともに、環境バランスの均衡した“身の丈にあった国土利用”へ向けた新たなフレームワークを構築した。これはEF指標の導入を土地利用の方向性を定める都市計画マスタープランにおいて明確に位置づけることで、地域内での環境負荷の削減努力と全国の自治体にて統一的な手法よりフットプリント(土地資源)のキャップアンドトレード制度を実施できる仕組みである。さらにそのフレームワークに基づいて、環境バランスの特性の異なる自治体を例として挙げ、本研究で提案した制度を実施した場合の取引価格の試算も行った。

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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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